職場で倒れて、いびきをかいた。呼吸停止で心臓マッサージ
朝の10時には会議が終わり、今日のランチは何にしようかと話している最中に、母はこめかみを押さえながら「やばい」と言ってそのまま倒れた。いびきをかいたので、これは尋常ではないと119番に電話。呼吸停止を伝えると心臓マッサージをしてくださいとの事。
職場の同僚の方が心肺蘇生の講習を受けたことがあって、心臓マッサージをしてくれた。そのおかげで、即死は免れた母だった。それは私たちにとっても、とても大きな事でした。母と向き合う時間をいただきました。
冷静な判断と迅速な応急処置をしてくれた職場の山本さんと吉垣さんには本当に感謝しております。
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意識不明、呼吸無し、脈ありの状態で病院に運ばれたと妹から連絡
2021年12月31日、出かける支度を終わらせて、家を出ようとした瞬間に妹からLINEが来ました。母が職場で倒れて救急車で運ばれて、今処置中との事。出かける予定をやめて、すぐに病院に駆けつけました。
40分くらいで到着して、受付に事情を説明すると案内されたのは、救命救急の待合室でした。そこには妹と、職場の社長(吉垣さん)がいました。
処置を終えた先生から説明を聞きました。
重度のくも膜下出血で、5段階中のレベル5との事。大晦日で人手がないので、明日万全な状態で脳動脈瘤コイル塞栓術をする予定との事。とりいそぎ、脳内の圧力を抜くためのトレナージュ術を今から行うとの事で、母に面会させてもらった。
外傷もないし、病気で長らく入院していた訳でもないので、顔色が良い。手も暖かいし、意識不明ってなんだろう?って感じでした。自発呼吸はできないので挿管して、人工呼吸器が付けられています。そんな姿を見ても、なんか大丈夫そうだなと思いました。
二回目の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血
肺炎もあったので、PCR検査の結果が出てからトレナージュ術を行うという事でしばらく待ちました。
トレナージュ術を始める少し前くらいに、脳動脈瘤から再出血して、かなりの圧力が脳内にかかり、おそらく脳はかなりのダメージを負ったと先生から説明がありました。
くも膜下出血は破裂した脳動脈瘤が再破裂をすると、死亡率が50%に跳ね上がる。母は、死には至らなかったが、物凄くよくない状況になったと説明された。
一番恐れていた事が起きてしまいました。再破裂しないように、迅速にクリッピング術やコイル塞栓術を行わなければならないのに、再破裂をしてしまった。
くも膜下出血に対する治療はコチラをご覧ください。
明日の朝までに回復が見込めなければ手術は出来ないとの事。明日の朝、今後の治療方針について先生方で話し合い、それをお伝えしますとの事で一時帰宅。
翌日くも膜下出血についてと、今後の治療方針について先生より説明
翌朝八時半に病院到着。先生から説明を受けました。
朝までに回復しなく、やはり脳に相当なダメージがあるみたい。見た目では全然分からないし、寝ているかのような顔。今にも目を覚ましそう。だからか、先生の言っていることが全然理解できない。
本来はコロナの影響で面会は出来ないけど、状況が状況なので、短時間であれば大丈夫ですよと言われた。icuは母だけではなく重病の患者さんが沢山いる。5分くらいだけど、面会させてくれて本当にありがたかった。
母の手は暖かい。穏やかな顔をしている。
まだ亡くなったわけではないのに、涙があふれ出てくる。妹も同じだ。手を握りながら話しかける。孫に会うんでしょー、がんばってーと。先生の言っている事を受け入れられないけど、本当は分かっていたんだと思う。
翌日、私の嫁さんが来てくれた。孫も来たけど、子供はicuには入れないので、外で待っている。看護師さんからの提案で、孫を動画で撮って、それを見せてあげたらどうですか?と。早速撮って見せてあげた。
意識不明で手を握っても、話しかけても何も反応はしない。聞こえているのか、聞こえていないのかは分からない。だけど、きっと聞こえていると信じて沢山話しかけた。
手術出来ないという事は、もう助からないという事。私は、頑張ってと声をかけること事は出来なかった。
母は延命治療はしてほしくないと言っていました。人工呼吸器で生かされている今は母の望む医療ではないですが、人工呼吸器を外してくれとは言えませんでした。そもそも外すことが出来るのかも分かりませんが。
もっと医療についても話しておけばよかったと思います。
「すぐに来てください、血圧が下がってきました」と夜中に入電
夜中の一時に病院からの電話で飛び起きた。看護師さんから、血圧が40台まで下がったので来てくださいとの事だった。吉垣さんにも連絡したら、すぐに迎えに来て、病院につれて行ってくれた。
病院について、ICUに入ると、母のモニターがピコンピコンとなっている。血圧は40台~60台でいったりきたり。容体は悪化してきている。先生からの説明で、これ以上昇圧剤は増やさない方が良いとの事でした。すでにMAXに近い量を投与している。延命治療は本当に嫌がっていたから、きっと母もそれを望んでいたと思う。
今日は病院で過ごすことに。
病院の待合室の椅子に吉垣さんと妹と私の三人で座って待っていたが、誰も話さない。吉垣さんは車を交換しに一度帰ると言って出て行った。すぐに、母の車に乗って戻ってきた。
朝の五時半くらいに看護師さんが来た。血圧が20台まで下がったからすぐに来て欲しいと。ちょうどその時、妹と吉垣さんは車に行っていたので、電話で伝えて、私だけ先に病室に向かった。